SixteenTones の日記

音律と音階・ヴァイブ・ジャズ・ガラス絵・ミステリ.....

列車に御用心

エドマンド・クリスピン,冨田ひろみ訳「列車に御用心」論創社 (論創海外ミステリ 2013/3)

 

昨日紹介したパングラムもの「すばしこい茶色の狐」を含む 16 編の短編集.2編をのぞきオックスフォード大学英語英文学教授ジャーヴィス・フェンが探偵役で,警察を助ける.ほとんどがイブニング・スタンダード誌に掲載だそうで,統一されて短く,そこが良い.本格ミステリらしく,奇妙な謎とその論理的解明がその骨格だが,登場人物にはじゅうぶん人間味が感じられる.ちょっと「おや」と思わせる結末があるが,そこが英国的なんだろう.

個々の作品はすでに EQMM などで紹介されているものが多いようだが,一貫して同じ著者で読めるのは良いかも.学生時代に戻れたら原書で読みたいところ.
次は長編かな.

亜駆良人が解説で最後の非フェンもの「デッドロック」を誉めている.語り手が少年で甘酸っぱい読後感は確かに文学的.少々ストーリーがややこしい気はするが, 84 歳のぼくより若い読者はそんなことは気にしないだろう,

変わったところでは「高速発射」が SF 的.

超個人的な感慨は2編に Wakefield なる人物が登場すること.かって私は wakefield でメシを食っていたのでした.